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なぜ問題視されている?転売行為を取り巻くグレーゾーン

オンラインショップやCtoCサービスの活況により、小売市場は大きな賑わいを見せています。

しかし、近年はインターネットで誰でも売買できるようになったことから、大規模な転売行為が世界中で問題視されています。サービス側での取り締まりや、法的な規制が小さい以上、これらの行為の防止には民間レベルでの取り組みが必要です。
 

今回は、そもそもなぜ転売行為が問題視されているのかや、どのように転売を防止すべきかについて、ご紹介します。

 

転売とは
 

転売行為とは、フリマアプリなどのCtoCサービスを通じて、定価よりも高い価格で別の消費者に商品を販売するというものです。
 

元々、フリマアプリは中古市場の活性化を目的として立ち上げられたサービスです。しかし新品の商品の取引も問題なく行えることから、希少性の高い商品を買い占め、買い逃した消費者に向けて商品を販売するユーザーも増加傾向にあります。

 

なぜ転売行為が問題なのか

転売が問題視されている最大の理由は、健全な小売市場の維持と成長を阻害している点にあります。本来、フリマアプリやオークションサイトは、要らなくなったものやコレクター向けの物品を販売するための場所です。
 

転売行為に従事するユーザー、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人たちは、新品で、尚且つ希少性の高いものを狙い撃ちにして、買い占め行為を続け、健全な消費者の購入機会を喪失させている点に議論の余地があります。通常の消費者同様、正当な手続きで抽選や先着販売に参加しているのであればまだ良いのですが、深刻になっているのがボットの導入です。
 

本来は一人につき一つのアカウントで抽選に参加したり、商品を購入したりするところ、複数のアカウントを不正に取得し、プログラムを使って大量の抽選権を手に入れるなどの行為が横行しています。また先着の商品についても、販売から1秒と経たず即時決済できるプログラムを導入し、商品を確保しているケースも見られます。販売者が想定していない、あるいは認めていない方法で商品を購入し、一般消費者の手に行き渡るのを阻害していることから、転売行為は問題視されています。
 

転売目的の購入は違法?

このような問題点が指摘される中、注目が集まるのが転売の違法性についてです。

 

基本的に転売に違法性はない

結論から言うと、転売目的の購入に違法性はありません。店舗ごとに「転売目的での購入を禁止する」独自ルールなどは存在しますが、それをしたことによって逮捕されたり、刑事罰を受けることはありません。
 

転売が発覚した場合、そのショップでの取引はできない、などのペナルティは様々なところで適用されてはいるものの、違法とすることはできないのです。

 

利益を得ようとした場合には違法の可能性も

ただ、一部の商品については転売目的の購入、および販売が違法になることもあります。例えば、チケットの転売です。いわゆるダフ屋行為と呼ばれるものですが、有名アーティストのチケットを買い占め、それを高額で転売する行為は法的な取り締まりの対象となっています。
 

チケットを誰かに譲渡する場合、あくまでも定価での販売に限られています。定価の何倍もの価格での取引は明らかな転売とされ、不正転売禁止法に基づき逮捕されることもあります。転売対策は、物品や自治体に応じて対応が異なるというのが現状です。

 

転売行為の責任と対策は

転売行為に対して問題意識を抱いている場合、自身がどんな立場にいるのかによって、対策方法は異なります。

 

購入者としての責任

購入者として転売対策に取り組む場合、やはり大切なのが転売商品を購入しないことです。転売によって得られる利益率や売り上げが落ち込めば、労力に見合った稼ぎが得られず自然と転売に関与するユーザーも減少していきます。

 

販売者としての責任

販売者としても、転売対策に取り組む必要性は高いと言えます。転売ヤーの買い占めで短期的に売り上げは確保できても、「転売にあまいショップ」としてブランド価値を下げてしまい、客足が遠のいてしまう可能性があるためです。
 

長期的なリピーターを確保するためには、一般消費者に欲しいものが行き渡る環境を構築することです。転売ヤーのいない、クリーンな販売を行えるというだけで、競合他社との差別化にもつながります。

 

具体的な転売対策の方法は

小売店として取り組む転売対策には、各社によって様々な方法が導入されています。中でも最近増えているのが、不正検知システムの導入です。不正検知システムとは、明らかに人間の挙動ではない決済行動や、大量のボットによる抽選参加をあらかじめ把握し、これらのアクセスをシャットアウトするというものです。
 

オンラインショップは不正な購入や抽選参加が相次いでいる一方、多くの消費者が公平な購入機会を獲得するための手段でもあるため、不正対策はマストです。
 

その他の不正対策や、転売対策を怠るとどうなるのかについては、こちらのページもご覧ください。

 

おわりに

転売はその違法性を認めることが難しい一方で、明らかなマナー違反であり、消費者や小売業者に悪影響を与えているとして問題視されています。その対策には消費者のモラルももちろんですが、販売事業者のシステムとしての対策にも注目が集まります。転売業者を締め出し、健全な小売市場の育成によって、売り上げアップやリピーターの獲得に取り組みましょう。


 

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