広告主と広告代理店がタッグを組んで行うアドフラウド対策の強みとは?

広告主と広告代理店との関係であるファンプレックス様とドリコム様。今回はファンプレックス株式会社Marketing Communicationグループ Product Marketingチーム 兼 グリー株式会社Japan Game事業本部Markething部 マーケティンググループ 上野 亮様(右)と株式会社ドリコム WEB広告部営業グループ グループ長 亀岡 聡様(左)にお話をお伺いしました。

ROASが良すぎるアドフラウド?

アドフラウドに気づいたきっかけを教えて下さい

ファンプレックス上野氏︰あるネットワークのノンインセンティブCPE課金(Cost Per Engagement: アプリインストール後の特定のイベントを成果地点としたモデル)で実施していたところ、あまりに多く成果が発生し課金も想定以上についたので不審に思って調査しました。 結論としてはオーガニック(自然流入)を奪い取るフローディングによるアドフラウドであることが判明し、ROASが好調に見えるメディアでも起こりうるアドフラウドは早期に気づきにくく深刻な問題だと考えるようになりました。
同時期にPhybbitが主催するアドフラウド勉強会に参加し、前職であるドリコムの代理店部門責任者が登壇しており、私が以前担当していたタイトルでアドフラウドが発生していたことを聞きました。 タイトルを担当していた当時、数字管理をしている立場で直接広告運用をしていたわけではないですが、フラウドが散見される海外ネットワークに掲載はしておらず、不正広告に対する代理店様との戻入対応も担当していたので、健全に広告運用ができていると自負していました。退職してから久々に再会し話を伺った所、600万円相当のアドフラウドが発生している事実を知り、私が在籍していた当時から掲載していたメディアでもアドフラウドが出ていたようで、より身近に感じるきっかけとなりました。

SpiderAF導入前にはどのようなアドフラウド対策を行っていましたか。

上野氏︰広告効果測定ツールの不正防止システムを導入しているのと広告出稿からROAS運用で課金を注視し、3日経過で指標に満たないメディアは停止していました。課金チェックを毎日行っていたのでインストールだけ行ってくるアドフラウドの検知は早期発見できていましたが、オーガニックを奪うアドフラウドは気づかずに出稿を継続していました。

SpiderAFをどのように利用していますか。

上野氏︰広告出稿時には毎日管理画面を確認しており、特にCTIT、端末情報は気にしてみています。 アドフラウドだと疑いがある箇所の根拠が可視化できる点はとても助かっています。 ドリコムさん(広告代理店)側でメディアとの控除条件を決めて運用してくれており、実績として1ヶ月で100万円近くを私達のリソースを割かずに新たに控除していただきました。

(SpiderAFデモ画面:CTIT、端末情報)

広告代理店においてアドフラウド対策をすると売上を下げるリスクがあるもので、目先の売上やKPIばかりを見ていると難しいかと思います。そいうったことを減らしていくためにはどういったことが求められるのでしょうか?

ドリコム亀岡氏:これは意識の問題であると思っています。広告代理店だけを行っていると難しいのですが、自社のゲーム事業部でもフラウド対策を行い約600万円ほど控除できたという実績がありました。 自社でフラウドが出ているのに代理店部門がやらないのはおかしい、売上は短期的には減りますが、日本の広告業界の健全化に向けて実施することがゲーム事業も代理店事業も行っているドリコムという組織としての役割であると強く感じているため取り組んでいます。

短期的に見た場合は予算が削減したり売上が減ると思いますが、長期的に見た場合には案件の継続率が長くなり、広告主さんから信頼を得て良好な関係構築が築けることは重要だと思います。ネット広告はブラックボックスとなっているケースも多いと思うので、広告主さんの意識も必要ですね。

アドフラウドの撲滅には、マーケターの意識が重要
上野氏:アドフラウドで被害を被るのは広告主である企業です。アドフラウドが出ていると疑いを持っていても社内評価の指標にもなるKPI・ROASが好調だと、見て見ぬ振りをして出稿し続けるマーケターもいると思います。特にオーガニックを奪い取るアドフラウドは課金も発生するので、ROASが高く指標をよく見せるケースもあります。そうなるとアドフラウド業者に流れるお金が増え、悪い流れができてしまいます。お金の出処は企業であり、さらにその広告費は課金をしているユーザーからいただいているためユーザーが一番損をしてしまいます。本来支払うべきではないアドフラウドを減らすことで、その費用をより良いイベントや面白い企画へ割くこともできますしね。
亀岡:営業をしている中でもアドフラウドかしっかり細かいデータを見ないとフラウドを断定するのは難しいので、説明して納得をしてもらうのは難しいですね。

表面上のKPIだけでなく広告の中身をきちんと見ていく組織体制も重要ですね。

亀岡氏:そういったことを言い続け、業界としてアドフラウドは良くないという認識をしっかりともった世の中にしていかなければいけないと思っています。 上野氏アドフラウド対策において一番重要なのはアドフラウドの構造を理解し、撲滅すると意識することです。加担するかしないかはマーケターの意識の問題であると思います。
社内目標をROAS→ROIへ
上野氏ROASは業界水準としてありますが ROIでの観点も必要だと思っています。広告投資をしてユーザーからの課金をみているROASが大半かと思いますが、プロモーション全体を捉えるROIで見なければならないと思っています。
亀岡氏俯瞰的視点でデータを見るのは難しいかと思いますが、ROIという視点は本質ですね。

最近のアドフラウドの状況はいかがですか。

亀岡氏:最近のフラウドはインストール後もアプリを立ち上げ、チュートリアルを突破したり、自然な振る舞いをしています。今まではインストールだけだったのでしたが、イベント発生までの到達時間なども見ないとアドフラウドだと見抜けない巧妙なものが増えています。

そういったお客様の声にお応えし、CPE / CPAの分析対応も始めました!

購入、到達率の時間、初回の起動からチュートリアル突破時間も分析できます。イベントを起こしたとSDKには送っているけれど本来は発生していないというSDKスプーフィングがあります。
アドフラウドが発生するためCPIからCPEのROASを見ていることが増えているかと思いますが、CPEで追っていても不正は出てきてます。

上野氏:それぞれのプレイヤーが別々にアドフラウド対策を講じていても効果は最大化できません。今後もドリコムさんとタッグを組み、業界の健全化のため取り組んでいきたいと思います。
亀岡氏:パートナーとして一緒にアドフラウドを撲滅していきたいと思います。

ありがとうございました!