「世界からみた日本のIT企業の印象を変えていきたい」CEO 大月聡子 インタビュー

【Profile】
大月聡子 (おおつき・さとこ)
株式会社Phybbit 代表取締役社長
2011年首都大学東京大学院原子物理専攻を卒業後、株式会社Phybbitを創業。
経営の傍ら2児の母として子育てにも奮闘中。

研究者が活躍できることを証明したい。研究室の仲間と共にPhybbitを創業

創業当初のそーめん大会

− Phybbitを創業した経緯を教えてください

大学院時代は、ずっと原子物理の研究をしていたのですが、日本には優秀な研究者が多いのに「活躍する事なく埋もれてしまっている」なというのを学生ながらに感じていました。そんな中で、蓮舫さんの事業仕分けがありました。我々は物理専門で基礎研究だったため、ポスドクをカットされた友人もいましたし、助成金も減りました。その事に対して、既に働いている友人に物理は日本がノーベル賞を取る分野なのに!と飲みながら文句を言っていたら、「おまえらは好きな事やってお金もらってるんだからいいじゃないか!悔しかったら自分で1円でも稼いでみろ!」と言われたのが大きなきっかけです。
また、アルバイトやインターンをした時に、「私ならこうやるのに!」と考える事が多々あり、徐々に経営をしてみたいなという気持ちが沸いてきました。
ちょうど、そのタイミングでお金を貸してくれる友人も出てきたので、そのお金で税理士さんに登記をして頂き、Phybbitを創業しました。

− 創業当初はどのようなスタートでしたか?

今思うと見切り発車感が否めなかったので、かなり大変でした。
会社は作ってみたものの、何をしていいかわからない。完全に勢いだけでスタートしてしまいました(笑)
幸いな事にメンバーは理系大学院出身のメンバーが中心で、神田さん(弊社エンジニア)やBob(弊社エンジニアマネージャー)、赤石さん(弊社データサイエンティスト)がプログラミングができたので、Web系のお仕事に対して営業をしていきました。
当時は仕事を取るのに兎に角必死で、死に物狂いで営業電話をしたり、イベントに参加していました。少し経ってから、Phybbitは受託開発をしている会社です!と言えるようになったのですが、初期はどんな案件でも受けていたので、Web系の何でも屋みたいな感じで、受託開発を事業にしている事にすら気づきませんでした。給与の支払いも最初はできなかったので、その中でついて来てくれた当時のメンバーには本当に感謝をしています。

アドフラウド 対策ツール「SpiderAF」が誕生するまで

− SpiderAFはどのような背景で誕生しましたか?

受託開発ではB to C , B to B の様々なプロジェクトに取り組み、多くの企業様から技術力の高さや、品質、納期迄のスピード感などをご定評頂いていました。

特に、アドテク関連の企業様から多くお仕事をいただいていて、広告配信の際のワークフローの自動化を支援する為のフレームワークを開発し提供していました。
多くのお客様から、広告配信のシステムに関してのご依頼をいただいている中で、「アドフラウド 」が問題になっている事、アドネットワーク各社様が独自に対策はしていたものの、日々進化していくアドフラウドとのイタチごっこに対し簡単に対策できるツールの需要が高い事を知り、アドフラウド 対策ツールの開発に力を入れていく事にしました。
2016年末にアドネットワーク各社様との連携を開始し、SpiderAFは誕生しました。

− 多くの広告配信事業者様からのご協力を経て、SpiderAFをリリース

SpiderAFの開発段階から多数の広告配信事業者様からデータをご提供いただいたおかげでノウハウを蓄積することができ、精度の高いアドフラウド対策ツールに成熟させて行く事ができました。
広告配信事業者様向けに正式に「SpiderAF」をリリースした後、広告主様向けにサービスを展開し、現在は多くの広告主様にもご利用頂いています。
アドフラウドは広告配信に関わる全ての方が、戦っていかなくてはいけない問題だと考えているので、今後は代理店様やメディア様に向けたサービスの展開も考えています。

仕事をする上で母親としての強み

− 二児の母としての一面もお持ちですが、育児と経営の両立で大変な事はありますか?

良く聞かれる質問ですが、個人的には特別大変とは思っていません。今は多くの母親が子育てをしながら仕事をしているので、そこまで珍しいことではないのではないでしょうか。
強いていうと、出張などにあまりいけない事は、不便な時もあります。ただ、その分出張に行った際は、「泣いてる娘と息子を置いてきたんだから!」と自分を奮い立たせる事ができて、絶対に結果を残してやるんだという強い気持ちで仕事をする事ができます。これは、母親としての強みですね(笑)

− 母親や父親が働き易い環境作りには力を入れています。

私自身が、育児と仕事を両立している事もあり、母親や父親が働き易い仕組み作りには力を入れています。
勤務時間はフレックスタイム制を導入しているので10:00-17:00をコアタイムとして、その前後は個人に任せていますし、産休や育児休暇も推奨しています。
育児休暇に関しては、お子さんが生まれた男性社員も積極的に取って頂いています。産後って精神的にも不安定な事もあると思うので、近くで支えてあげて欲しいなとの思いからです。最近だと、子供手当も福利厚生の制度として作りました。まだまだ、改善は必要ですが、働きやすい環境づくりには力を入れています。

世界からみた日本のIT企業の印象を変えていきたい

TiEcon2019にて「2019 TiE50 Winner」 を受賞

− 今後、どのようなビジョンを考えていますか

今はアドフラウド 対策の「SpiderAF」をメイン事業としていますが、今後は総合的なサイバーセキュリティ企業としてサービスを展開していきたいと思っています。今後、更なる自動化が進んでいく中で、サイバーセキュリティの重要性は増していくと考えているからです。
また、オリンピック後の景気を考えるとグローバルで戦っていくのは必須になると考えています。その為に、今資金調達を行なっていて、資金調達後は新サービスの開発やグローバルに展開できるような体制作りに力を入れていきたいと思っています。

− グローバルに勝つ為に必要だと思っている事

ビジネスモデルでの優劣は意外となくて、度胸やメンタルが大事な要素になってくるのではないでしょうか。
日本人は日本という便利で整った環境で育っているので、日本とは違う環境で勝負しないといけない時にうまく適応できていないように感じます。他国に目を向けてみると、どんな状況にも怯まず、堂々としている。これはビジネス以前の話ですが、どんな環境でもガツガツいける度胸とメンタルが大きな差になるのではないかとピッチイベントの際に感じました。
また、グローバルに展開する為の準備として、グローバル採用には力を入れています。現在従業員は約20名いますが、そのうち7名は外国人を採用しています。少子高齢化が進み、労働人口が減っていく日本だけに絞って採用していくより、世界という大きな人材マーケットから採用した方が、優秀な人材が採用しやすい事、展開していきたい国を熟知した人間に、その国に適したやり方でサービスを展開してほしいと考えているからです。

− 日本のサービスが世界で通用するのを証明したい

グローバルのピッチイベント「Get in the Ring 」や「TiEcon2019」に出場した際に、日本でどんなに頑張っても世界からしたらあまりインパクトが無い気がして、それがとても悔しいと思うと共に世界からみた日本の評価だと感じています。
「SpiderAF」を世界で通用するサービスにする事で、世界を驚かせたいと思っていますし、世界からみた日本のIT企業の印象を変えていきたいと強く思っています。
Get in the Ring OSAKA 2019 で優勝し世界大会に出場

各ポジションにて積極採用中!

今後、会社として更なる成長をする為にも人を増やしていこうと考えています。マネジメントしなくても自主的に動ける人がPhybbitにはあってるかなと思っています。少しでも興味がある方は、先ずはお話を聞くだけでも良いので、オフィスに遊びに来てください!
また現在Phybbitメンバーの9割が男性なので、女性メンバーも増えると良いなと思っています!

Phybbitではさまざまなナショナリティ、バックグラウンドを持ったメンバーが活躍しています。自主性を尊重するダイバーシティな会社にご興味がある方はこちらからお問い合わせください💁‍♀️!