iOS14のトラッキング防止機能がGoogleに与える影響を解説!

AppleがiOS14以降トラッキング防止機能を搭載することを発表しました。iPhoneユーザー側でトラッキング許可が選択されてしまうため、自由にIDFAデータの取得が行えなくなります。その結果、広告配信や効果計測にも支障が出て広告配信の精度が落ちます。そのため、アプリデベロッパーの収益は激減。Apple社に批判的なコメントを寄せる広告主も出てきているのです。

巨大なプラットフォームを持つGoogleは影響を受けるのでしょうか?本稿では、iOS14の新機能がGoogleに与える影響について解説します。

iOS14新機能がGoogleに与える影響

IDFAデータが取得できなくなると、Google側も少なからず影響を受けます。実際に、Googleはどのような影響を受けるかを確認していきましょう。

リエンゲージメント配信が行えなくなる

Googleは、多くのユーザーを保持しており「Google Mobile Ads SDK」を活用してユーザー単位のリターゲティング広告を行えば、従来通りの成果を見込むことができます。そのため、他の広告主のような大きな打撃は受けません。

しかし、IDFAデータを活用しなければいけないリエンゲージメント広告配信は行えなくなります。2019年にGoogleが発表した新ソリューション「アプリエンゲージメントキャンペーン」は大きな打撃を受けてしまうでしょう。

媒体間の計測精度が落ちる

広告配信の計測は代替手段でもある「SKAdnetwork」で可能ですが、媒体間の効果測定の精度は落ちます。媒体毎でROASや残存率などのKPI管理が行えなくなるため、計測精度は確実に落ちるでしょう。Googleも、広告配信計測をApple社が提供する「SKAdnetwork」で代替することを発表していますが、アプリ内データの紐づけは行えないため、取得できるデータは従来よりも制限されてしまいます。

CPIが高騰する

Apple社がサポートの役割で提供する「SKAdnetwork」はアプリ内データの紐づけは行えないため、広告精度が落ちてしまいます。有効クリック数の減少が見込まれ、1回のアプリインストールにかかる費用が高騰するため、投資効率は下がると言われています。しかし、Googleは「Google Mobile Ads SDK」で代替でき、広告最適化が図れるため、大きな影響は受けないでしょう。

iOS14新機能に対するGoogleの見解

Apple社がiOS14でトラッキングオフ防止機能を発表後に、GoogleはGoogle Ad Mob公式サイト内で「iOS14以降の準備」を更新していますが、沈黙を貫き通しています。なぜ、沈黙を貫き通しているのでしょうか?ここでは、Googleの見解について解説します。

トラッキング許可の場合は「IDFAデータ」を活用

Googleはトラッキング許可されている場合は、従来通りの方法でデータ取得していく方針を示しています。Facebookは、Apple社に批判的な意見を述べた上で、IDFAデータ収集を停止することを発表しました。その裏で、Googleは意見を述べずに、Apple社の意向を尊重した上で、トラッキング許可によって取得できるIDFAデータは従来通りに活用していくこと方針を示しています。

トラッキング拒否を見据えて「SKAdNetwork」でサポート

ユーザー側がアプリトラッキング拒否を選択した場合は、IDFAデータは取得できません。このような状況に対応するために、Apple社が提供する「SKAdNetwork」を活用していく方針を示しています。

Google Ad Mobの公式サイトでは「iOS14の準備」として「SKAdNetwork」を活用したバージョンアップ方法について情報更新しています。Googleは、Apple社の意見を尊重しようとしているのが伺えるでしょう。

IDFAとGAIDに注目しておこう

iPhoneにはIDFAの広告識別子が用意されていますが、AndroidにはGAIDの広告識別子が用意されています。Apple社がプライバシー保護を徹底化するために広告識別子を使用しない方針を固めていけば、広告識別子を使用していくGoogleと二極化していくことになります。現時点でGAIDは仕様変更を発表していません。双極化する2つのiOSに注目が集まっていくはずです。

iOS14新機能に対するGoogleの対応策

IDFAデータが取得できなくなると、広告主は大きな打撃を受けることになります。Googleは「Google Mobile Ads SDK」で広告配信の最適化を図り、Google Ad Mobに「SKAdNetwork」を活用して広告主に満足いくサービスを提供していく方針を見せています。そのため、広告主はGoogleヘルプサイトを確認して、Google Ad Mobのバージョンアップをさせておきましょう。

Google Ad Mobは、iOSやAndroid、Unityのプラットフォーム上の広告配信で収益化を支援するツールです。各プラットフォームのUIコンポーネントにシームレスに追加できます。アプリ内で広告配信をするためには、AdMobアカウントを作成する必要がありますが、ユーザーのデバイス情報や位置情報などの収集ができて、広告配信の最適化が図れます。

アカウントを作成後に広告配信が行えて、広告配信の最適化機能も用意されていて便利です。また、掲載先に合わせて広告テンプレートをカスタマイズすることもできます。後述しますが、iOS14で導入されるトラッキングオフ機能に備えた効果計測方法のバージョンアップも考えられており、利用者に情報提供もされています。

広告配信に関しては「Google Mobile Ads SDK」で対応

Google Ad Mobでは、Google Mobile Ads SDKを使用して、アプリのデベロッパー側がユーザー情報を取得して広告収入を最大化できるようにします。Mobile Ads SDKのデフォルト統合により、ユーザーのデバイス情報やパブリッシャー提供の位置情報を収集し、これらのデータを活用して広告配信の最適化を図ります。

広告運用の計測は「SKAdNetwork」で対応

IDFAデータが取得できない場合の対処法として、GoogleはGoogle Ad Mob内で「SKAdNetwork」を活用していくことを述べています。そのため、Google Ad MobをiOS14以降のバージョンに対応できるように更新しましょう。更新方法については、GoogleAdMob「iOS14以降の準備」を参照してください。IDFAデータが取得できない場合に備えて更新をしておきましょう。

※「SKAdNetwork」でアプリトラッキングを計測する場合も、データ取得をリスクエスト時に、ユーザー権限とデータ使用用途を説明することが推奨されています。

まとめ

Googleは、自社でユーザーを抱えているため、iOS14の新機能の影響を受けにくいです。多くのユーザーを抱えるGoogleは「Google Mobile Ads SDK」を活用すれば、リターゲティング広告も従来通り配信できることはGoogleの大きな強みです。

多くの広告主が大打撃を受けており、Apple社に批判的な意見を述べる中でもGoogleは冷静的でApple社の意見を尊重する動きをとっています。このような対応ができる理由は、独自のエコシテムの構築に成功していて大きな影響を受けないからでしょう。

今後、広告ネットワーク事業は、Googleのような体制を整えて独自のエコシテムを構築していく必要があります。ユーザーのターゲティングデータの購入に依存している広告会社は事業継続が難しくなる一方で、独自データに基づくターゲティングが行える広告会社はシェアを伸ばしていける時代を迎えようとしているのです。

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