コロナ禍でも広告業界は回復傾向?アドフラウドへの影響は

新型コロナショックは多くの業界に打撃を与え、その影響には計り知れないものがあります。しかし、コロナ禍においても比較的ダメージを最小限度に抑え、素早く回復傾向に転じているのが広告業界です。

ウィズコロナ時代における広告業界は、従来の施策とどのように折り合いを続けながら成長を遂げていくことになるのでしょうか。

コロナ禍でも回復傾向の広告業界

媒体資料を法人向けに提供している会社「メディアレーダー」は、新型コロナウイルスの影響がどの程度広告業界に現れているかを会員企業向けに調査しました。

広告費の減少は一時的な対策となる見込み

発表された調査結果によると、まず新型コロナが最も猛威をふるい、緊急事態宣言が発令された前後の4~6月期は、7割以上の企業が広告費が減少したと回答しています。

引用元:コロナ禍と広告・マーケティング|メディアレーダー

経済回復の見通しが立たない中、小売店舗は休業や閉業を余儀なくされ、消費を喚起しても消費活動が制限されているということで、広告効果も半減していました。しかしながら緊急事態宣言が解除され、ウィズコロナ時代への歩みを進めようと社会が再び動き出した7月以降、その様子は少しづつ改善されているようです。

調査結果によると、7月以降に広告宣伝費は4割近くが変更なし、1割に関しては増加していると答え、わずかですが回復の兆しが見られるようになりました。コロナショックによる広告の縮小は不可避なものではなく、上手く施策を展開することで回復可能であることを示唆する結果とも言えます。

コロナショックはどのような施策に影響したのか?

そもそもコロナショックによって生まれた広告費の削減は、リプランニングの必要性から生じたものが大半を占めます。

生活様式がほんの数ヶ月で一変してしまったために、プロモーションの停止やサービスの提供遅延、商品開発の遅れも発生しました。当時は今後どのように社会が動いていくかの見通しも立たなかったために、不必要な支出を多くの企業が警戒していたと考えることができます。

ウィズコロナ時代における広告業界の戦略

しかしウィズコロナという言葉が広まり、新しい生活様式も定着しつつある現在では、各企業でどのような施策に投資するべきかの方針も定まりつつあります。

オフライン施策の縮小

例えば、ポップアップショップの展開や店頭の販売促進活動など、オフライン施策は総じて抑制すべき投資として考えられるようになっています。

そして、リモートワークの増加や外食を控える動きが広がったことで、交通広告もまた控える動きが進んでいます。オフラインでの活動は最小限に留め、コロナ禍でも広告効果が期待できる施策に比重は高まるようになってきました。

SNS活用などデジタル施策の強化

一方の拡大している広告施策については、デジタル関係の施策に注目が集まっています。代表的なのがSNSの活用、およびSNS広告です。

これまでもSNSの活用は重要な施策として注目されてきましたが、コロナショックの影響で顧客とのオフライン接点が失われ、その価値はさらに高まっていると考えられます。

あるいは、Eコマースへの進出も同様です。

実店舗での売り上げが期待できない今、ECモールへの進出や、自社ECの展開で、オフラインで失った顧客の再獲得、新規顧客の開拓へと動き始めています。カナダ発のECプラットフォームであるShopifyでも、3月から4月というコロナショック直後には新規ECサイトの数が直前の6週間に比べ、62%も増加しました。EC化は日本でも例外ではなく、Shopify利用事業者は4月時点で前月比50%増加、Shopify経由での売り上げも5,000%増加したという数字が発表されています。

また、オウンドメディアの新規開拓や、チャットボットやツールの導入などによるWeb接客環境の拡充、オンラインセミナーの開催なども、有効な施策として注目されています。

デジタル施策運用に伴うアドフラウドへの懸念

このようなデジタル施策は、オンライン上で存在感を発揮するために大きな役割を果たしますが、オフラインでは存在し得なかった脅威にさらされる可能性もあります。その一つが、アドフラウド(広告詐欺)です。

アドフラウドは、現在世界的な問題となっている新しい不正ネットワーク活動の一種で、広告費を不当に水増しし、Web広告のパフォーマンスを低下させるというものです。アドフラウドは年々その手口が複雑化し、法律で取り締まるのも困難なことから日本国内でもその被害は拡大しています。

日本市場におけるアドフラウド被害総額は、2019年の下半期だけで約16.7億円にものぼると言われており、多くの企業が知らぬ間に被害に遭っていると予想されます。今まで以上にデジタル施策が多くの企業で実施されていくとなると、アドフラウドの被害も一層拡大していくことが懸念されます。

コロナ時代における広告運用は、アドフラウド対策と表裏一体であるとも言えるでしょう。

ウィズコロナ時代のアドフラウド対策とは

新型コロナ以前から横行していたアドフラウドですが、実は新型コロナウイルスの影響で、一時的にアドフラウドが減少したという調査結果も出てきています。

アドフラウド被害は減少しているのか?

最もコロナウイルスに対する脅威レベルが高かった3~4月、アドフラウドが占める割合は低下しています。

これは、前述のように多くの企業において広告出稿が大きく減少し、アプリの利用率も低下したことで、アドフラウドによる被害も相対的に低下したことが要因と考えられます。

引用元:2020年上半期アドフラウド調査レポート|Spider Labs

そして経済活動が徐々に回復しつつある現在、アドフラウド被害は再び増加傾向に転じ、広告の増加に伴いその被害も大きくなっていくことが懸念されます。法律で取り締まることもできないアドフラウド被害は、どのようにして対策していくべきなのでしょうか。

アドフラウド対策はどのように進めていくべきなのか

アドフラウド対策の進め方については、コロナショックの前後を問わず、基本方針は変わりません。まずはアドフラウドの脅威について正しく理解し、対策に向けた検討を真剣に進めていくことから始めるべきでしょう。

アドフラウドは不正検知ツールの導入や適切なプラットフォームの選択により、被害を小さく抑えることが可能です。しかし、アドフラウドを問題視するマーケターの数はまだまだ少なく、目の前のKPI目標の達成に注力しすぎてしまう傾向もあります。

デジタルマーケティングが各社で進めば、それだけアドフラウドの脅威も大きくなっていきます。早いうちからアドフラウド対策を実施し、予算の有効活用を実現できるよう環境を整備していきましょう。

おわりに

コロナショックが広告業界に与えた影響は多大なものですが、必ずしも失うばかりではありません。オフラインよりもオンラインの施策に比重を置くという変化に対応し、多くの企業でデジタル施策の推進が進んでいます。

そんな中、懸念されるのがアドフラウド被害の拡大です。早期から対策を検討し、適切なコストパフォーマンスを実現していきましょう。


参照サイト:

2020年下半期の企業の広告宣伝費は回復傾向!コロナ禍と広告・マーケティング【メディアレーダー】

[AMN調査リリース] コロナ禍で注力するマーケティング活動は「SNS活用/SNS広告」が6割に迫り、ファンや既存顧客に向けたデジタルへの投資が顕著に

Spider AFアドフラウド調査レポート 2020年上半期: COVID-19による日本のモバイル広告の影響とは 

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