アドフラウドはオーガニックにも悪影響?アプリデベロッパーが語るアドフラウドの怖さ

 

2019年1月23日(水)渋谷サポーターズさんにて第三回アドフラウド勉強会を開催しました!

今回はなんとPhybbit初の単独イベント!「今年こそアドフラウド対策 〜ゲームデベロッパーが語るアドフラウド対策の重要性〜」をメインテーマに2018年のアドフラウドの動向やKPIに及ぼす影響を発表しました。本記事では某ゲームデベロッパーの方A氏と弊社宮本の対談の模様をお送りします。

アドフラウドを疑ったきっかけはなんですか

A氏プロモーションの効果測定において不審なデータがありました。広告配信SDKからのレポートと社内分析を比較すると大きく齟齬がありました。またKPIからも広告費を回収できているはずなのにユーザーが増えていない・継続率が低いことから訝しみました。

宮本アドフラウドを見抜くためにも、プロモーションにおいてKPI分析をしっかり行うことは大事ですね。

 

アプリプロモーションの”KPI”とは?

宮本アプリプロモーションにおいて様々なKPIを見られるかと思います。
広告の配信コストのKPIとして1,000インプレッションあたりのCPM(Cost Per Mille)、1クリックあたりのCPC(Cost Per Click)、さらにどのくらいのユーザーがコンバージョンするかのCPI(Click Per Install)が出てくるかと思います。以前アプリマーケティングの案件を担当していたのですが、5年前だとCPIを安く獲得することがアドネットワークアプリ広告における大事なKPIとなっていたと思います。
ただそうした結果、アプリのインストールはされるけれど「ユーザーが動かない・チュートリ突破しない・翌日起動しない」ということが多く発生していました。ユーザーが広告経由で入ってきたら、深いKPI「ユーザーが遊んでいるのか」=ROASやRRといった費用対効果や継続を見られることが多いかと思います。アプリプロモーションにおいて大事なことかと個人的には思いますがどうでしょうか。

A氏ゲームアプリによって違うかもしれませんが、ほとんどROI ・ROASしか見ていないかと思います。その結果、検知に遅れたということがあるのですが‥。流入経路によって継続率やチュートリアル突破率が変わってしまうのはアプリプロモーションを行っていたらご存知のことかと思います。

先程のセッションのハイジャック、フローディングはたちが悪く、まともなユーザが乗っ取られてしまいます。KPIがきちんと出ているのでノイズが入ってしまうのは運営側で施策が正しかったのか判断がつかなくなりリスクがあります。

宮本:先程のスライドになりますが、このようにインストールハイジャックは一般ユーザーのスマホにマルウェアを感染させ、広告成果の横取りを行います。あくまでインストールしているユーザーは、そのアプリを使おうとしてダウンロードしているので課金率や継続率などのKPIは良く見えてしまいます。そのため、アドフラウド対策をしていないと、計測ツール上でハイジャックに気づけず、効果が良いと思いこんで配信を継続/拡大してしまうケースが散見されます。

アドフラウド対策を実施して具体的にどのような効果がありましたか

A氏最も本質的なところを言うと利益が出るようになりました。アドフラウドをきちんと可視化でき、効果のない広告をやめたらその分利益が上がりました。やや副次的かもしれませんが、ノイズが入ってしまうため施策自体効果があったのか不明だったものがノイズが減り、現場からの視点だとKPIの精度が上がりメリットになりました。

宮本:2点を簡潔にまとめると
・無駄な広告費がなくなり利益率が向上した
・ノイズがなくなり正しいKPIで効果測定ができるようになった
ということですかね。

A氏:はい、その通りです。

 

宮本これは私がよく営業に行くときに考えるストーリーなのですがどれくらいの方に賛同いただけますか?
広告プロモーションで新規ユーザーを獲得し、初回起動のみのチュートリ突破をしてこないファームアドフラウドを大量に獲得してしまうとアップデート後にさらにKPIが悪くなり改修した後のが悪かったのかということはありませんか。

A氏初期にプロモーションを大きく打つので「リリース当初」というところでいうとあまりないのですが、似たような事例を挙げるとYoutuber施策ですかね。ユーザー属性が合わないとKPIの判断自体がつかなくなってしまいます。
子供向けYoutuberが1万人ユーザーを連れてくると継続率50%から翌日5%へ低迷することもあります。アドフラウドと同様に、質の悪いユーザーが増えることでノイズが入ってしまうことはありますね。

宮本:知らない盲点でした。獲得するユーザーの質が悪いとKPIも悪くなってしまいます。プロモーション先のユーザーによって質が変わってしまうので単純に新規ユーザーと一括りにしてしまうのではなく、それぞれでKPI設計をしていくことが必要ということですかね。

A氏:はい、そうです。

宮本:ディレクター、エンジニア、デザイナーが改修したのにその分ノイズが入ってしまうと正しく効果測定できず、広告費を無駄にするだけでなく努力も無駄になってしまうのは痛手かと思います。

 

アドフラウド対策って具体的にどう実施しましたか

A氏全くアドフラウドが混ざっていないクリーンな媒体は存在しなく、どの媒体にも必ず紛れ込んでいるものだと認識しています。
宮本さんにご指摘いただきながら、アドネットワークの裏側にいるメディアを特定し削除することで、効果が悪いところだけを除去できた点は大きかったです。

 

宮本アドネットワークさん自体がアドフラウドということはまずありえなく、その先のメディアが行っていることが多いです。幅広い媒体に出稿するとどうしてもアドフラウドという泥が入ってしまいます。複数のアドネットワークを経由していると海外ネットワークに接続されているケースもあります。アドフラウドの状況を見たり分析をしている中で事前にアドフラウドを対策するというのは難しいのではないかと思います。それをSpiderAFなどのアドフラウド対策ツールでフィルターをすると、効率良くアドフラウド対策が行えます

アドフラウド対策は誰が行うべきだと思いますか

A氏広告主の立場からは「アドフラウドを入れてきてほしくない!」というのは率直なところです。しかし広告代理店さんが勝手にアドフラウドを消してしまうと広告主側からクレームが入るといったことがあるようです。
部門が分かれている場合、プロモーション部門からタイトル部門へ「インストールを稼いでほしい」と要求があります。しかし「アドフラウド削除しました」となるとインストール数が減るため逆に怒られてしまうケースも起こるようです。
広告主の中でも経営者、プロデューサー、プロモーションそれぞれの担当者が「会社の業績を良くする」という共通の観点を持っていかなければならないと思います。「広告費削減しました=獲得数が下がってしまい評価が下がる」ということもありえます。経営層、会社の役職者がきちんと評価をして一定の基準をもって取り組んでいく必要を感じます。

広告配信に関わる人たち

宮本:度々紹介しているアドウェイズ/Bulbitのやましょーさんのスライドを使わせていただきご説明します。

アドフラウド対策はアドネットワークさん側がやるべきという話がよくあります。しかし広告に関わるお金は様々なステークホルダーを介し広告主さんからメディア運営者さんに行き渡ります。そこに携わるすべての人がアドフラウドを理解していかなければいけません。
特に広告主さんがお金を出す側なので全て広告代理店さん任せではなく、広告主側でも正しく広告費が使われているか確認することは行っていかなければならないと思います。
広告代理店さんやアドネットワークさんだけではなく、広告配信に関わる全ての人たちがアドフラウドを理解して、対応しなければアドフラウドは防げないと思っています。

 

Q&A

Q:TTI(Time To Install)で見る場合3種の不正方法全部を使ったら見分けがつかなくなることはありますでしょうか。

宮本:正直ありうりますが、三種の不正を使用した場合もデータがおかしくなります。IPやデバイス、OSver分布を一般的な統計と同様に作り出すことは不可能に近いと考えてます。見分けにくくはなるけれど見分けられなくはないと思います。

 

Q:チュートリ突破などの指標を達成するために海外のネットワークではミッションサイトのようなところで人為的なインストールを稼ぐ手法がありました。平均プレイ時間40分とありますが不正の時間は6分しかありません。ご対策ありますでしょうか。

A氏:ROASが出てなければ切り捨て運用しているので、基本的には見分けられるかと思います

宮本別の方法として人為的なファームと言われるものであれば必ずデータの偏りが出てしまいます。ROASだけでなく、リテンションレートやいくつかアプリにあるKPIでもチェックできるのではないかなと思います。

 

Q:アドフラウドによってオーガニックにもKPIのノイズが出る(計測ツールによっては成果対象外になったCVがオーガニックになるため)こともあると思いますが、どのように基準値を作っていますか?

A氏KPIの分析でいうと恒常的に出していて安定したクオリティが期待できる媒体を見つけて継続率を追うことで他のKPIのノイズを推測するということを行っていました。またiOSだと継続率が上がったり下がったりがブレるのでandroidの特定の媒体のデータをみています。
AdWordsでゲームのタイトル名を購入していてその経路で一定したユーザーの属性が来るのでAdWords経由できたユーザーの継続率をみることで施策の前後でどう変わっているのか分析に使用しています。

宮本:オーガニックは質が良いけれどアドフラウドによってオーガニックが汚染されるケースがあることを初めてお聞きしました。オーガニックよりもきれいな媒体であるとアピールすれば強いメニューになりそうですね。

 

Q:ROASからアドフラウドをカットしているとおっしゃっていましたが、課金をしてくるアドフラウドが出てきたら検知できないのではないでしょうか。

A氏100万円単位を費やす高課金ユーザーのROASへの影響率が大きいので実務的にはチューニングを入れながらROASが伸びていくベースを過去のデータから算出しています。120日ROASで100%を超えていたらバイラル効果も含めいて利益が取れるだろうとみなしています。大半は課金金額が多いので、ある程度であれば検知できなくなるだけの金額にはならないと思っています。
また通常の運用はROASをみていてアドフラウドはSpiderAFのアラート機能を活用しているのでダブルチェックをしています。

 

次回の勉強会は3月20日(水)に開催予定です!
アドフラウドに関する情報のキャッチアップをして知見を深めていきましょう!